【速報】広大地の改正内容(案)が明らかに!

現在の広大地の評価基準では、実勢価格から著しくかけ離れた安い価格が算出されていることなどが問題視されてきました。これを是正するため平成29年の税制改正大綱において適用要件などを改正する旨が発表されていましたが、平成29年6月22日にその具体的計算方法案が公表されました。現在、意見公募中の案であるため来年以降の施行が確定したものではありませんが、平成30年1月1日以後に発生する相続ついて採用される公算は高いためその概要について簡単に解説してまいります。

 

◎従来の広大地評価の考え方

広大地とは、以下の3要件を満たすものをいいます。

  • その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大である

 (三大都市圏500㎡以上、その他1,000㎡以上)

  • 一番効率よく戸建分譲しようとした場合に、新たに道路や公園などのつぶれ地が生じる
  • マンションや工場、ロードサイドの大型店などの建築に適した土地に該当しない土地

 

→マンション適地か否か、つぶれ地がでるか否かなどの基準が明確でないため、広大地評価の適用を受けてよいか否か判断がつきにくい土地が多数生じてしまいます。この問題を解決するため新しい案では適用要件が明確化されました。

 

◎新しい広大地の考え方

・地積による判定

地積規模が大きな宅地であること(三大都市圏500㎡以上、その他1,000㎡以上)

 

 かつ、以下の①-③に該当しないものは新しい広大地の適用が受けられます。

 

・所在地による判定

①市街化調整区域に所在する宅地(市街化を抑制している地域)

②工業専用地域の所在する宅地

③容積率が400%(東京の特別区は300%)以上の宅地

 

→このように適用要件がスッキリとしました。

また内容的には、地積判定の基準は従来と同様であり、所在地判定もおおむね従来通りの趣旨で判定を行う一方、つぶれ地等が生じないケースでも適用可能となるため今後適用できる方が増加することが期待されます。

また、従来ではつぶれ地が生じるか否かの判断が困難であり、判断最大のトラブルの要因であったためその問題が解決されました。

 

◎広大地評価の計算

 上記のとおり、適用要件は明確化した一方、評価減できる金額については一概に増えた減ったということは言えず、土地の形状によって個別事情がより反映される計算方法となりました。ただし、結論から言うと、非常にざっくりしたイメージでいえば

・地形のきれいな整形地       → 従来より評価が高くなる傾向

・地形の悪い不整形地・無道路地など → 従来より評価が低くなる傾向

と、考えることができます。その理由は計算式を見ながら説明してまいります。

 

今までの評価方法は

正面路線価 × 広大地補正率 × 地積

 

新しい広大地の評価方法は

土地の個別事情に応じた減額を行った後の路線価 × 規模格差補正率 × 地積

 

「その土地の個別事情に応じた減額」とは以下のような場合に行います。

・奥行きが長い土地

・地形が悪い土地

・間口が狭い土地

・間口に対して奥行きが長い土地

 

 つまり、従来の広大地評価では一切個別の土地の事情を勘案せず一律で計算するのに対し、新しい広大地評価の計算では、路線価の減額を行うということです。

 このため、路線価は従来に比べて評価減できる要素が多く、評価減も見込めるようになりました。

 

◎補正率の比較

・従来の広大地(広大地補正率)の試算

500㎡・・・0.575

1,000㎡・・・0.55

2,000㎡・・・0.50

5,000㎡・・・0.35

 

 

・新しい広大地(規模格差補正率)の試算

500㎡・・・0.80

1,000㎡・・・0.78

2,000㎡・・・0.75

5,000㎡・・・0.716

 

上記のように、新しい広大地の補正率の方が非常に補正率は高くなっている(評価減ができない)ため、補正率による評価減は今までほど見込めなくなると考えられます。

 これらの路線価・補正率の変化を考慮すると、地形はきれいで減額要素がない土地の場合には従来に比べ約1.4倍~2倍まで評価が上昇してしまう一方、無道路地などで減額要素が50%程度ある土地であれば、従来の約0.7倍~1倍程度の評価となることが予想されます。

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◎今後の対策

 今まで地形のきれいな土地で広大地評価を適用しようと考えていらっしゃった地主の方は今回の改正が導入された場合、大きな増税となってしまいます。これを防ぐには、今年のうちに相続対策を行い、該当する広大地を生前贈与してしまうことなどが対応策として考えられます。

 しかし、この改正内容は現状では案の状態ですので、これに頼って行動を起こすにはリスクも伴いますので、対策をする際には専門家などにご相談下さい。

今年中に対策を検討されている方、広大地の内容について不安や疑問をお持ちの方は、是非一度当社へご相談下さい。最適な相続対策のご提案をさせていただきます。

  平成29年7月5日