第14話 相続と贈与

贈与(ぞうよ)とは何でしょうか。

贈与とは、民法第549条で次のように規定されています。

「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。」

つまり、財産をあげる人(「贈与者」といいます)が財産をもらう人(「受贈者」といいます)にタダ(無償)で財産を渡すことを贈与といい、その贈与が成り立つ条件として、あげる人ともらう人のお互いの意思表示が必要となります。あげる人、もしくはもらう人だけの意志表示のみでは成り立ちません。贈与は「契約」に基づく行為なのです。

 

一方、相続が起こると、亡くなった方の財産債務はその相続開始の瞬間に相続人に承継されます。

相続も贈与も無償で財産が移転することになりますが、相続は贈与と違って契約に基づくものではなく、一方的なものです。

 

相続が起こると、亡くなった方の財産に相続税がかかります。(もちろん、かからない方もいますが。)

そうすると、その相続税を少なくするために、生前に財産を贈与してしまおうと考えます。もし、全部の財産を生前に贈与しまうと、相続税を納税する人がいなくなってしまいます。これでは国が困るので、生前に財産の贈与があったときは、相続税より高い税率である贈与税をかけることにしました。このように、贈与税は「相続税法」という法律の中に規定されており、相続税を補完する役目をもっています。よって贈与税法という法律はありません。

 

 贈与とはとても奥が深いものです。何が贈与であるのかをしっかりわかっていないと、あとで「こんなはずじゃなかった・・・」ということになります。